鼻づまりとは?
私たちが鼻で吸う空気は、加温・加湿・異物除去といった処理を経て、肺に適切な状態で届けられます。しかし、鼻が詰まると自然な鼻呼吸が妨げられ、代わりに口呼吸を強いられるようになります。
口から直接外気を吸い込むことで、冷たく乾いた空気が喉や気管の粘膜を刺激し、炎症や不快感の原因となります。さらに、鼻づまりにより十分な酸素が取り込めなくなると、集中力や思考力の低下が起こり、いびきや睡眠の質の低下にもつながります。
一方で、鼻づまりを改善することにより、次のようなメリットが期待できます。
- 鼻呼吸がスムーズになり、肺への酸素供給が安定する
- 口呼吸による喉や気管の乾燥・炎症を防ぐ
- 睡眠の質が向上し、いびきや疲労感の軽減に繋がる
- 集中力や思考力、日常生活の快適さが改善される
鼻づまりは放置すると慢性化することもあります。生活の質や健康への影響を最小限にするためにも、症状が続く場合は早めの受診をおすすめします。
鼻づまりが起こる原因は?
鼻づまりの背景にはさまざまな要因がありますが、最も多いのは慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎です。
年齢によって原因の傾向が異なることもあります。
- 小児:アデノイド肥大による鼻腔の狭小化
- 成人:副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症などの構造的な異常
鼻づまりの原因を正確に把握することは、効果的な治療の第一歩です。症状が長引く場合や生活に支障がある場合は、早めに耳鼻咽喉科での診察をおすすめします。
鼻の粘膜が腫れている
アレルギー性鼻炎・慢性鼻炎・副鼻腔炎などの疾患があると、鼻の粘膜に慢性的な炎症が起こり、粘膜が腫れて空気の通り道が狭くなることがあります。
さらに、市販の血管収縮作用を持つ点鼻薬を長期間使用すると、薬剤性鼻炎を引き起こし、かえって鼻粘膜が腫れて鼻づまりが悪化する場合があります。
鼻づまりが続く場合は、自己判断での点鼻薬の長期使用は避け、耳鼻咽喉科での診察と適切な治療を受けることが重要です。
鼻水が溜まる
アレルギー性鼻炎や慢性鼻炎、副鼻腔炎などによって鼻の粘膜が炎症を起こすと、鼻水の分泌が増えて鼻腔内に溜まりやすくなります。
これが鼻の通気を妨げ、鼻づまりの一因となります。
鼻茸ができている
副鼻腔の炎症が長引くと、鼻腔内に「鼻茸(ポリープ)」ができることがあります。鼻茸は空気の通り道を塞ぐため、持続的な鼻づまりの原因となります。
- 軽度の場合は薬物療法で改善することがあります
- 大きい場合や再発を繰り返す場合は、手術による摘出が必要になることがあります
鼻腔内に異物が入ってしまった
小児では、鼻の中におもちゃや食べ物のかけらなどが入る「異物混入」が鼻づまりの原因となることがあります。
- 放置すると炎症や感染を引き起こすことがあります
- 膿性の鼻汁が出る場合もあります
- 早期に除去することが大切です
アデノイドが腫れている
アデノイド(咽頭扁桃)は、喉の奥、鼻の突き当たり部分にあるリンパ組織です。
- 2~3歳頃から肥大し始め、小学生ごろに最も大きくなります
- 小児期の鼻づまりの原因となることがあります
当院では小学生以下の手術には対応しておりません。必要に応じて、提携医療機関をご紹介いたします。
軟骨や骨が歪んでいる
鼻中隔とは、鼻腔内の左右を分ける仕切りのことです。この鼻中隔が左右どちらかに曲がっている状態を鼻中隔弯曲症と呼びます。
- 曲がりによって空気の通り道が狭くなり、片側または両側の鼻づまりを引き起こすことがあります
- アレルギー性鼻炎や慢性鼻炎を合併している場合、鼻づまりの症状がより強くなる傾向があります
鼻づまりの治療方法は?
鼻づまりでお困りの方へ
鼻づまりは、原因疾患の特定とそれに応じた適切な治療が不可欠です。
当院では、内視鏡検査やCT検査を行い、副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症だけでなく、悪性腫瘍など重大な病変の有無も確認します。必要に応じて、鼻汁検査、鼻腔通気度検査、血液検査などを行い、症状の重症度を評価します。
場合によっては、より高度な医療機関へのご紹介が適切なケースもあります。
鼻づまりが長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、自己判断せずに早めにご相談ください。
鼻づまりでよくあるQ&A
鼻づまりが特に夜間にひどくなるのはなぜですか?
夜に鼻づまりが強くなるのには、自律神経の働きと体の姿勢(体位)が関係しています。
就寝時はリラックス状態となり、副交感神経が優位になりやすくなります。その影響で鼻粘膜の血管が拡張し、充血やむくみが起こりやすくなるため、鼻の通りが悪くなります。
また、横になった姿勢では頭部に血液が集まりやすく、鼻粘膜の腫れがさらに強くなることで、空気の通り道が狭くなります。その結果、夜間に鼻づまりを強く感じるようになります。
さらに、睡眠中は起きているときに比べて鼻腔内の換気が少なくなり、鼻水や分泌物が停滞しやすくなることも、鼻づまりが悪化する要因の一つです。
※夜間の鼻づまりが続く場合は、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの疾患が隠れていることもあります。気になる症状がある場合は、耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。
片方の鼻だけが詰まります。どんな原因が考えられますか?受診すべきでしょうか?
片側だけの鼻づまりには、さまざまな原因が考えられます。代表的なものとして、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、鼻茸(ポリープ)、まれに腫瘍などが挙げられます。
片側のみの症状であっても、複数の要因が重なっていることや、知らないうちに慢性化しているケースも少なくありません。
数日で自然に改善する場合は、一時的な炎症による可能性もあります。しかし、
- 症状が長引く、または繰り返す
- 頭痛や発熱を伴う
- 黄色や黄緑色の鼻水が出る
といった場合には、副鼻腔炎や鼻の構造的な異常が隠れていることがあります。
気になる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診し、原因を確認することをおすすめします。当院では、内視鏡やCT検査を用いて詳しく評価し、症状に応じた治療をご提案しています。
大人ですが、鼻の奥にたまった鼻水を取る方法はありますか?
鼻の奥にたまった鼻水を和らげる方法はいくつかあり、ご自宅で比較的簡単に行えるものもあります。入浴や蒸しタオルで鼻や顔周りを温める、鼻うがい(鼻洗浄)を行うことで、鼻水が出やすくなり、症状が軽減することがあります。
一時的に鼻づまりを改善する方法として、「脇圧迫法」と呼ばれる方法もあります。500ml程度のペットボトルを、鼻づまりがある側と反対側の脇に挟み、体側に力を入れて20~30秒ほど圧迫します。これにより交感神経が刺激され、鼻粘膜の血管が収縮し、鼻の通りが一時的に良くなることがあります。
ただし、この方法はあくまで一時的な対処法であり、効果が長く続くものではありません。より効果を高めたい場合は、入浴やスチーム吸入などで鼻腔内を温め、鼻づまりがある程度和らいだタイミングで行うとよいでしょう。鼻の通りが改善した状態で点鼻薬を使用すると、薬の効果がより発揮されやすくなります。
なお、鼻づまりや後鼻漏が長く続く場合は、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などが隠れていることもあります。症状が改善しない場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
鼻づまりでお困りの方は
当院までご相談ください
「鼻がつまって息がしづらい…」 「いつも鼻声でスッキリしない…」
そんな鼻づまりの原因は、慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎による粘膜の腫れ、副鼻腔炎に伴う鼻茸(ポリープ)、さらには小児のアデノイド肥大など、さまざまです。 原因によって治療法は異なるため、正確な診断がとても大切です。
当院では、日本耳鼻咽喉科学会の専門医・指導医が診療を担当し、
- 副鼻腔炎に対する保存的治療
- 日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医による日帰り手術
- 生物学的製剤を用いた治療
など、症状に応じた幅広い治療に対応しています。鼻づまりや鼻の不快感でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。